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 人生が一変するような出会いや出来事は誰にでも起きる。それは動物たちも例外ではない。捨て猫や捨て犬を拾ったが、救われたのは自分の方だったなんて話も少なくない。拾われたことで、あっという間に犬生猫生を変えていく動物たちの純粋に生を全うする姿に人間たちはいつだって胸打たれるものだ。

 猫のベンベンは瀕死の状態だった。傷だらけで半死半生のベンベンは「悲しそうな顔」「不幸そうな顔」と哀れまれていた。そんなベンベンの猫生が変わった瞬間についての物語をご紹介したい。
 
 
 
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 「悲しそうな顔」と言われた猫のベンベン。この茶トラ猫のベンベンはある日全身傷だらけで保護施設に運び込まれてきた。

 背骨は折れており、そしていくつもの深い切り傷にくわえ、耳はケガによる耳介肉腫(カリフラワー耳、柔道耳とも呼ばれる)になってしまっていた。

 ベンベンの現在の飼い主は「何か大型の生き物に攻撃されたんだと思います。そして、ベンベンは理由は分からないけど顔に余分な皮膚があり、それが彼を少々悲し気な顔に見せているようです。」とコメントを残している。

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 ベンベンは保護施設に預けられたが、再度体調を崩し獣医のもとで診察を受ける。そして「ベンベンはもう二度と前のようには歩けないし、これからずっと鎮痛剤を飲まなくてはいけないだろう」という宣告を受けてしまう。それを知ってか知らずか、ベンベンも生きる気力を失ったかのように、食べることも水もほとんど飲まず身動きをしなくなってしまった。

 その様子を見て保護施設は、「五体不満足で今後も長期的な治療が必要なベンベンが里親に出会うのは非常に難しいのではないか」と考え、苦悩の末ベンベンを安楽死をさせることに決める。

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 そんなベンベンの窮状についてのうわさが、別の動物病院で働く心優しい女性の耳に入る。彼女は急いでベンベンを迎えに行った。奇しくも、彼女がベンベンを手元に預かった日はベンベンの安楽死予定日の前日だった。

 こうしてベンベンは、死の淵から初めて安心できる我が家を得たのだ。
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 保護施設では生ける屍のごとく過ごしていたベンベンだったが、あっという間に様子が変わる。

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 ベンベンは、女性の家について1時間後、女性と彼女のボーイフレンドに体をこすり付け、まるでお礼を言うかのように鳴き声をあげたのだという。

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 「ベンベンはあの時きっと、ここが自分の家になるんだって伝わったんじゃないかなと思います。」と飼い主の女性は語る。

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 その日以来、ベンベンはもうすっかり別猫だ。その表情には以前呼ばれていた「悲しそうな顔の猫」の片鱗はかけらもない。

 保護施設ではちっとも食べ物に興味を示さなかったベンベンは、今や全ての食べ物をチェックするのが日課なのだとか。

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 もう歩けないと診断されたベンベンだったが、愛情いっぱいの家族のおかげか誰も想像していなかったような急速な回復を見せた。

 走ることもできるし、小さくジャンプすらするようになったのだ。
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 「ベンベンはすごく元気に過ごしていますよ。以前のベンベンを知る人に見せるとみんな驚くくらいです。」と飼い主女性はコメントしている。

 家族の温かさを知り、甘えることもできるようになったベンベン。
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 ベンベンが安楽死の淵から救われて約9カ月。傷だらけで、歩けず片耳は変形し、常に痛みと戦ってきたベンベンの過酷な猫生はあっという間に変貌した。

 ちょっぴり悲しそうな表情は今も健在だが、その心は幸せいっぱいな猫だということはもう世界中が知っている事実なんだ。

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 ベンベンの飼い主女性はインスタグラムでベンベンの近況をお知らせしてくれているので、すっかり愛されキャットになったベンベンの様子が気になるお友達は覗いてみてね。

via:Couple Takes a Chance on Sad Shelter Cat Who Couldn't Find Home, an Hour After Adoption.. translated kokarimushi / edited by parumo