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 中国広東省広州市のショッピングモールに併設された水族館、グランビュー水族館で飼育・展示されているホッキョクグマ(シロクマ)のピッツァは、その劣悪な環境から欧米メディアにより「世界一かわいそうなホッキョクグマ」と呼ばれるようになった。

 狭苦しく暗いこの水族館は『動物たちの牢獄』との呼び声さえある場所だ。

 まさに牢獄のような窓のない薄暗い囲いの中で物悲しそうに横たわるピッツァの写真が、インターネット上で波紋を呼び、動物慈善団体『アニマル・アジア』がピッツァの救出キャンペーン、水族館の閉館キャンペーンを開始した。
 
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The tragic bear that suffers for selfies

 このキャンペーンはついに国際的なものに発展し、100万人近くの署名が集まったことが明らかとなる。そしてキャンペーンの甲斐もあり、今年9月末に英国のヨークシャー野生動物公園がグランビュー水族館へピッツァの引き取りを申し出たと発表される。

 今まで、狭い檻の中で身を隠すこともできず、大騒ぎする人間たちに常に撮影され続けてきたピッツァ。
Polar Bears Are Locked Inside Small Enclosures At The 'World's Saddest Zoo'

 上記の動画には、たくさんのコメントが集まっている。

 ●動物たちに自由を!

 ●ここの館員たちは動物たちはただの人形だとでも思ってるの?生きてるのよ!

 ●早く中国側が動きますように!

 ●ピッツァの表情を見て泣けてきた

 ●こんなのひどいよ


 もしピッツァの受け入れが成功するならば、ピッツァは今の光の全く当たらない狭い檻から、二つの湖付きの約4万平方メートルの土地で自由にのびのびと暮らすことができる。しかもそこには、同じホッキョクグマの仲間もいるのだそうだ。『アニマル・アジア』によれば「ピッツァは今の環境からは信じられないほどの良い環境で暮らせる上にホッキョクグマのコミュニティの一員にもなれるでしょう。」とのことだ。

 グランビュー水族館側は批判を受け、動物たちの生活環境改善に努めていく所存だそうだ。しかしまだ無機質な水族館であることに変わりはなく、他にもオオカミやベルーガ、ホッキョクギツネやセイウチが館内に残されている。

 そのため『アニマル・アジア』はピッツァが引き渡されたら、今後は他の生き物たちが安心して心地よく暮らせるよう、施設側に無償でアドバイスをし全力でサポートをしていく約束をしたとのこと。

 ピッツァや他の動物たちが一刻も早くよい環境で暮らせることを祈ろう。ピッツァの今後の行方に世界中が注目している。
via:The world’s saddest polar bear to be set free from shopping centre prison translated kokarimushi / edited by parumo