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 名は体を表すとはよく言ったものだ。今回紹介するラブラドール・レトリバーの名前は「ヒーロー」。彼はその立派な名前に全く負けることがない活躍を見せてくれた。
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 ヒーローは糖尿病予知犬として訓練を受けたサービス犬だ。その嗅覚を活かし、ご主人の血糖値の変化を知らせることができる。

 ヒーローのご主人様は4歳の少女セイディちゃんだ。セイディちゃんはダウン症と1型糖尿病を抱えている。そんな彼女は常に血糖値を安全レベルに保たねばならない。

 ヒーローはセイディちゃんの血糖値が100以下に下がってしまった時は、唸り声をあげてご両親の手に左前脚を逆に200以上と高くなってしまった時は右前脚を使って、ご両親にセイディちゃんの血糖値の状態をお知らせするように訓練を受けている。その嗅覚はどんなマシンよりも正確なのだ。

 2015年の12月、セイディちゃんが学校に行き特別授業を受けたある日、事件が起きた。出かける前にセイディちゃんの血糖値を計測した時は異常はなかった。しかしセイディちゃんが出かけてわずか30分後、普段はとてもおとなしいヒーローが鼻を鳴らし唸り声をあげ始めたのだ。このヒーローの様子を見て、セイディちゃんの母親は一抹の不安を覚える。しかし学校は自宅からおよそ8キロ離れている。ヒーローはそんなに離れた場所にいるセイディちゃんの異常を感知できるというのだろうか?

 半信半疑で、母親は学校に電話を掛けた。そして念のために娘の血糖値を確かめてもらうと、なんとセイディの血糖値は82まで低下していたのである。あと少し遅かったら昏睡する可能性もある危険な状態だったという。ヒーローは本当にヒーローの名にふさわしい活躍をしたのだ。大好きな大切なご主人様のセイディちゃんの命を救ったのである。

 この後もヒーローは心配そうにしばらくセイディちゃんに寄り添っていたとのことだ。ヒーローは他にも、セイディちゃんの学校の面談についていった際に、同じく糖尿病を患っている校長先生の血糖値の異常を知らせたこともあるという。

 ヒーローは確かに小さな頃から厳しい訓練を受けてきた。しかし8キロ離れた場所にいるセイディちゃんの異常に気付いたのは訓練を受けたからという以外にも理由があるのだろう。セイディちゃんとヒーローの間には誰にもわからない特別な絆があるのだ。命の恩人でもあり親友のラブラドール・レトリバーと病に負けず明るく暮らす4歳の少女。二人の冒険はまだまだ始まったばかりだ。

 ヒーローの活躍がニュースになった際の動画 

Dog senses girl’s blood sugar drop from miles away, warns mom
via:What This Dog Did To Save A Little Girl's Life Is Nothing Short Of Amazing translated kokarimushi / edited by parumo