インド北西部の街ウダイプル。深夜の道端で、うずくまっている子牛がいた。ヘッドライトが彼の横を何台も通り過ぎていく。ようやく1台の車がその傍らに停まった。運転手の女性は子牛の様子を確認すると、すぐにストリートアニマルの保護団体Animal Aidに通報してくれたんだ。
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Abandoned, unable to stand, in the cold and dark alone...injured bull calf rescued.
子牛は雄で、首は痛みで反り返り、混乱と恐怖に満ちた瞳は救助にあたったスタッフを見ることもせず、ただぼーっと開かれたままだった。
すぐに痛み止めと水分補給の点滴を開始。
起き上がることもできなかった子牛は、翌日には顔を上げられるようになり、4日目には立ち上がれるようになり、6日目には自分でミルクを飲めるようになった!
そして現在、トフーと名付けられた子牛は持ち前のとてもフレンドリーな性格で、スタッフにも仲間の牛たちにも愛されるキャラクターに。
捨てられたとき、トフーはまだ母親を必要とする月齢だった。インドでは牛が大切にされているイメージがあるかもしれないが、実際に行ってみるとその辺を歩いている神聖なはずの牛たちも、「邪魔!」とぺしぺし叩かれたりしてる。
実はミルクを生産しない雄は、トフーのように生まれてすぐに捨てられたり、牛肉をタブーとしないイスラム教徒の食用とされたり、海外へ食肉として輸出されたりしているそうだ。何とインドは水牛を含めると、世界でも有数の牛肉輸出国でもあるんだよ。
以前にも捨てられた子牛をAnimal Aidが保護した映像があったよね。
人口の8割を占めるヒンドゥー教徒は確かに牛を食べないが、残りの2割のイスラム教徒やキリスト教徒などにって、ビーフは決して禁忌ではない。そして彼らの人口は、日本の総人口を軽く超える2億人にも達している。
下の写真は、やはり路上に捨てられた雄の子牛が、足を金属片に挟まれて保護されたケース。このまま放置されていたら、いのちにかかわったかもしれない。
動物福祉が浸透し始めているインドではあるけれど、簡単に生き物を捨ててしまう層があるのも実情だ。
そんな中で活動しているAnimal Aidなどの団体には、保護・救助活動以外にも人々への啓もうや教育といった役割が期待されている。そして彼らは忍耐強く、その期待に応えようとしているんだ。
笑顔で動物たちのために働いてくれているスタッフたち。1月26日の共和国記念日に撮影した記念写真だそうだ。
written by ruichan
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