
image credit:Facebook
暦の上では立春を過ぎたとはいえ、寒さはまだまだここからが本番。だが野生の生き物たちは、敏感に季節の移り変わりを感じ取っているようだ。
渡り鳥である白鳥たちは、冬の気配を感じるとあたたかい南へ向かって移動を始める。だが時にはケガや何かの理由で、仲間たちと一緒に旅ができなくなる個体もいる。
今回は凍った湖とらわれて、動けなくなってしまっていた白鳥の救出劇をご覧いただこう。
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白銀の氷の上に何かいる?
先月の半ば、アメリカのアイオワ州にあるコーネリア湖の湖面は、真っ白な氷に覆われていた。だがそこを通りかかった人が、氷の上に何やら異質なものがポツンとあるのに気づいた。
画像の真ん中に、小さな黒い点が見えるだろうか。

image credit:Wright County Conservation Board
それは氷にとらわれた白鳥だった!
よくよく見ると、それは一羽の白鳥だった。どうやら氷にとらわれて、動けなくなってしまっているようだ。
上の画像を拡大したものがこちら。

image credit:Wright County Conservation Board
通報を受けたライト郡自然保護局のスタッフがすぐに駆けつけ、白鳥の救出作戦を開始した。自らの危険を顧みず、文字通り薄氷を踏んで白鳥に近くスタッフたち。
現場に到着した彼らが見たのは、羽が湖面の氷に貼りついてしまったために、身動きできずにいる白鳥の姿だった。
決死の救出作戦が成功し、白鳥は無事保護される
慎重な救出作業の結果、無事に羽を氷から引きはがすことに成功。

image credit:Wright County Conservation Board
すぐに保護局の施設に移された白鳥は、あたたかい場所で水や餌をもらい、元気を取り戻すことができた。

image credit:Wright County Conservation Board
水鳥たちのサンクチュアリで春を待つことに
翌日、白鳥は近くにあるウィローズ水鳥保護区に移されることに。

image credit:Wright County Conservation Board
ここは何らかの理由で飛べなくなった水鳥たちが、厳寒の時期を過ごすためのサンクチュアリだ。今回保護された白鳥も、仲間たちが戻ってくる春までここで過ごすことになるだろう。
今回保護された白鳥も、早速他の鳥たちに仲間入り。

image credit:Wright County Conservation Board
今はすっかり元気を取り戻したようで、他の保護鳥たちの輪にうまく溶け込んで暮らしているとのことだ。

image credit:Wright County Conservation Board
日本には「北帰行」という言葉があって、立春を過ぎたこの時期になると、白鳥を含めた渡り鳥たちが北へと移動し始める。「白鳥帰る」は春の季語なんだそうだよ。もっとも「白鳥」自体は冬の季語なんだって。つまり冬を象徴する渡り鳥ってことなのかもしれないね。
今回の白鳥が保護される数日前は、コーネリア湖はまだ氷に覆われていなかったんだそう。だが、この白鳥が仲間といっしょに南へ飛び立つ寸前に天候が急変。あっという間に凍った湖にとらわれてしまったらしいんだ。
あと一歩救出が遅かったら、命の危険もあったかもしれない。春が来たら、戻ってきた仲間たちと無事に再会できるといいよね。
References:the dodo / Wright County Conservation Board / written by ruichan
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