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 カリフォルニア州モントレー沖160㎞、深さ3,200mの深海に「オクトパスガーデン」と呼ばれているスポットがある。文字通り、最大で2万匹ものタコたちが生息している「庭園」である。

 今回はカリフォルニアのモントレーベイ水族館併設の研究施設、モントレーベイ水族館研究所(MBARI)によって撮影された、タコたちの知られざる営みについて見てみよう。
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Secrets of the Octopus Garden: High-tech tools reveal remarkable cycles of life in the deep sea

 この映像は2022年3月2日から2022年8月26日までの6か月間にわたり、4Kタイムラプスカメラによって、20秒ごとに撮影されたものである。2018年にこの「庭園」が発見されて以来、研究者たちはタコたちの営みを観察し続けてきたのだ。

 このスポットにはミズダコの仲間が数千匹~最大2万匹集まって繁殖する。メスは受精した卵を岩肌などに産み付けるが、この映像に写っているメスは、卵が孵化する前にいのちを落としてしまったようだ。

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 卵が孵化するまでの間、飲まず食わずで守り続けている母タコは、体力が続かずに餓死してしまうことも多いのだそう。守るもののいなくなった卵を、巻貝やヒトデたち食べつくしていく。

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 やがてぽっかりと空いた空間には別のメスがやって来て、卵を産み、新たな命をつないでいく。

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 そのころ画面の反対側では、役割を終えて死んだタコを、イソギンチャクが食べている。ここでも命の連鎖が続いているのだ。

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 このスポットには熱水噴出孔があり、周囲よりも海水温が高くなっているんだそう。冷たい海の中では、タコの卵は孵化するまでに5~8年かかることもあるらしいが、このスポットでは2年かからずに孵化できる。卵でいる時間が短ければ、それだけ食べられてしまうリスクも減るのである。

 この場所については、以前カラパイアでも特集したことがあったので、こちらも併せて読んでもらえるとさらに理解が深まるんじゃないかな。



 ところで今日はハロウィン。こんな記事もあったので、よかったら万聖節に思いを馳せながら楽しんで見てほしいな。



written by ruichan

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