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 シェルターの檻の中にいる犬の視点から見た世界を想像できるだろうか。保護犬ニコラスは、この狭い檻の中からずっと、他の犬たちが新しいおうちへと引き取られて行くのを見続けていた。

 シェルターにはペットを求める多くの人が訪れたが、誰もニコラスに興味を持ってはくれなかった。日を追うごとに希望は絶望へと変わり、ニコラスはいつしかシェルターの中で一番古株な保護犬になっていた。
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The shelter dog everyone ignores

 ここはアメリカのカリフォルニア州オレンジ郡にあるシェルターだ。3歳の保護犬ニコラスは、ずっとこのケージの中から、檻の柵越しに外の世界を見続けている。

 檻の前を通り過ぎていくたくさんの人たち。だがその誰もが、ニコラスを引き取ろうとはしなかった。みんなもっと小さい犬や、年の若い犬を欲しがるのだ。

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 ニコラスはもともと野良犬だった。とても怖がりで恥ずかしがり屋なわんこなんだ。「彼が無視され続けているのを見るのは、私たちにとってもとてもつらいことでした」と、シェルターのスタッフは語る。

 誰一人としてニコラスと触れ合ってみようとすらしてくれない中、彼が檻の外に出るのは運動をするときだけだったんだ。

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 だがスタッフやボランティアたちは知っていた。ニコラスはとても人懐こくて、甘えん坊な犬だということを。彼は笑顔が可愛い、ニンゲンのことが大好きな犬なんだよ。

 スタッフたちは繰り返し繰り返し、ニコラスのことをいろいろなSNSで発信し続けた。ときにはニュースに出たりもしたんだそう。

 だがそれでもニコラスを引き取りたいという人は現れなかった。思いつく限りの手を尽くしたスタッフたちは、最後の手段として「Pick Nick Saturday」というイベントを企画することにした。そのまま訳せば「ニコラス引き取りデー」みたいな感じだろうか?

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 祈るような気持ちでそのイベントの日を待っていたスタッフたちの前に、ある日奇跡が訪れた。

 実はその前の週、一人の女性がシェルターを訪れていた。その時出会ったニコラスのことを忘れられなかった女性は、毎日ニコラスのことを考え続けたんだそう。

 そしてまさにイベントの前日、彼女はもう一度ニコラスに会いにシェルターを訪れた。檻から出してもらったニコラスと接した瞬間、彼女は心を決めた。「あなたは私が連れて帰るわ!」

 ニコラスはそのまま、女性のクルマでこれから終の住処となる彼女の家へと帰って行ったんだよ。

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 シェルターにいる犬たちの中には、表面上はわからないトラウマを抱えている者もいる。そんな犬たちを引き取って一緒に暮らしていくには、忍耐と優しさ、そしてたっぷりの愛情を持ち合わせていることが求められる。

 ニコラスがシェルターに来てから、およそ100日が過ぎていた。彼はとうとう、自分を本当に必要とし、愛してくれる人と出会うことができたんだ。

written by ruichan

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