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 人同士の出会いに運命的なものがあるとすれば、ニンゲンと生き物の間にも、そんな奇跡は存在するのかもしれない。

 助けを必要としている鳥たちのトレーナーを職業とするメラニーさんは、2018年のある日、Instagramで1羽のオオキボウシインコに関する投稿に目を奪われた。

 片眼がなく、クチバシにも異常を抱えているそのインコ「マンチカン」と彼女が出会った瞬間、ふたりの運命は急展開したんだよ。

 
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Woman Flies Across Country To Adopt A Bird She’s Never Met | The Dodo

 メラニーさんがマンチカンを最初に知ったのは、保護団体によるInstagramの記事だった。マンチカンの姿を見た途端、いてもたってもいられなくなったメラニーさんは、すぐにコメントを残した。「私にはこの子が必要です。マンチカンを引き取るにはどうしたらいいですか?」と。

 だがマンチカンがいるのは西海岸のサンディエゴ。メラニーさんが暮らしているのは、東海岸のメリーランド州。アメリカ大陸を横断して、メラニーさんはマンチカンを迎えに行ったんだ。

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 そこで最初に告げられたのは、マンチカンはあまり人懐っこいインコではないということだった。撫でられたり抱っこされたりするのは好きじゃない。ただ人と同じ空間にいるだけで満足するタイプらしかった。

 ところがメラニーさんと出会った瞬間、マンチカンはその手に乗り、彼女の身体をよじ登って、メラニーさんの顔の間近まで自分の顔を寄せたんだ。

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 その様子を見て、保護施設のボランティア、エイプリルさんは思わず涙を流した。「こんなマンチカンを見るのは初めて。間違いなくあなたとマンチカンの間には、特別な絆があるようね」

 実際、マンチカンはエイプリルさんたち里親に、一度もこんな風に触れさせてくれることはなかったんだそう。

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 長旅を終えて、メリーランドのメラニーさん宅に落ち着いたマンチカン。どこにいてもメラニーさんを探しに来るし、すりすり甘えに来るしで、保護施設にいたころのマンチカンとは別鳥のよう。

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 マンチカンの奇形の原因は、ヒナの頃にカルシウムの補給が十分行われなかったためではないかとのこと。だがそれでも健康に成長したのを見ると、彼の鳥生の大部分は、しっかりと愛情をかけて世話をされていたようだ。

 ただし、頭蓋骨が正常に育たなかったせいで、保護された当時マンチカンは完全に盲目だった。メラニーさんのもとで手術を受け、どうやら片目は少しだけ視力を取り戻すことに成功したらしい。


 インコ飼いのお友だちならご存じだと思うが、実はインコのクチバシは徐々に伸びていく。だがマンチカンの上のクチバシは彼の舌の半分のサイズしかなく、成長も止まってしまっていて、下のクチバシにすっぽり収まるようになっている。

 そこでメラニーさんは、マンチカンが上手に物を咥えたりできるよう、4~8週間ごとにクチバシを削ってあげているんだそう。これもプロのトレーナーだからこそできるケアなんだね。
 

 メラニーさんのところには、マンチカン以外にもたくさんの鳥たちがいる。幸せなバードハウスの様子は、彼女のInstagramで随時公開されているので、ぜひ訪問してみてほしい。

written by ruichan

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