20220603_184923_batch

 カリブ海にあるオランダ領のボネール島は、「ニンゲンよりもフラミンゴの数の方が多い」と言われるほど、よく知られたフラミンゴの生息地である。

 この島で、フラミンゴをはじめとする野生動物の保護活動をしているBonaire Wild Bird Rehabという団体がある。創設者のエリー・アルバースさんがこの活動を始めたきっかけは、1羽のフラミンゴのヒナとの出会いだったんだ。
sponsored links
sponsored links


This Woman Dedicated Her Life To Saving Flamingos Who Need Her Help | The Dodo Faith = Restored

 そのフラミンゴの名前はベビー。3年ほど前、ベビーの親はベビーを置き去りにして飛び去ってしまった。そこでエリーさんは、親代わりとなってベビーを育て上げた。これがエリーさんとフラミンゴの最初の出会いだったんだ。

20220603_184923 (6)_batch

 毎朝エリーさんは、「おはよう、ベビー!調子はどう?」と声をかけていた。するとそのうちに、ベビーは自分の名前を覚え、呼ばれると反応するようになったそう。

 ベビーはいつもエリーさんの後をついて回り、エリーさんに寄り添って眠っていた。
20220603_185157_batch

 だがベビーにはやがて、巣立ちの日がやってきた。飛べるようになったベビーは、大自然の中へと帰っていったんだ。

 それ以来、フラミンゴの保護活動を積極的にスタートしたエリーさんは、これまでに数百羽のフラミンゴたちを保護し、野生へと返してきた。だがその自然に帰ったはずのフラミンゴたちの中にも、毎朝ご飯を食べにくる一団がいた。

 エリーさんはその一団を「朝ご飯クラブ」と呼んで、毎朝彼らのためにエサを用意して待っていたのだが、ある日のこと、その中に明るいピンク色の足をしたベビーにそっくりなフラミンゴがいたんだよ。

20220603_184923 (7)_batch

 エリーさんは思わず、「まあ、あなたベビーにそっくりじゃない?」と声をかけた。すると「ベビー」という名前を聞いた途端、そのフラミンゴはエリーさんに飛びついてきたんだ!

20220603_193539_batch

 そう、そのフラミンゴは紛れもなくベビーだった! 自分の名前を憶えていて、名前を呼ばれた瞬間、大好きなエリーさんのことも思い出したに違いないんだよ。

 ベビーはすでに4歳になっていて、きっと自分の家族を持っているはず。「ベビーとの別れは確かにつらかったけれど、フラミンゴは野生の鳥なの。ベビーが自然の中でしっかり生きていることが、私にとっては最高にうれしいことでもあるのよ」と、エリーさんは語っている。

 エリーさんの施設では、今もたくさんのフラミンゴを保護し、育て、野生に返す活動を行っている。先月21日には、今年初めて、14羽の若いフラミンゴたちが野生の世界へと帰っていったそうだよ。



 鮮やかな色をしたおとなのフラミンゴと、まだ小さな子供。ベイビーもエリーさんと最初に出会った頃は、こんなに小さかったんだね。


written by ruichan

▼あわせて読みたい
あのクチバシでどうやって食事を?優雅なダンサー、フラミンゴのお食事風景を見てみよう


オレゴン動物園でフラミンゴの赤ちゃんが闊歩する!ふわふわした姿でしっかりと園内を走る姿がかわええ~!


「ここって結構広かったんだね」フラミンゴたちが動物園内の社会見学を実施中


みんなお外に遊びに行くよ!次から次へと出てくる出てくる、フラミンゴのヒナたちのパレード


ベイビーフラミンゴのスクィッシュ、お手製ブーツで楽しくお散歩しているようだ