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 動物たちに楽器を弾かせちゃおう!という試みは、ネット上でもよく目にするのだけれど、彼らの奏でる音を音楽として構成し、アートにしてしまおうというのはなかなか思いつかない、いや、思いついても簡単にはできないと思う。

 そんなアートを実際に実現させてしまった人がいるみたいなので、今日はその作品自体をぜひ体験してほしいんだ。
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FROM HERE TO EAR Celeste Boursier Mougenot

 エレクトリックギターの弦に、次々とやって来てとまるのは、70羽のキンカチョウたち。そう、彼らがこの作品の主役なんだ。

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 鳥たちにとって、ギターの弦は電線や木の枝と同じように見えるらしい。そこにとまって毛づくろいをし、エサを探しに行く鳥たち。そのたびに、不思議な旋律が響き渡る。

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 この作品は「From Here to Ear」と銘打ったインスタレーションで、ギターと70羽のキンカチョウたちが奏でる音を、空間ごと体験するというものだ。

 インスタレーションっていうのは、大雑把に言えば、展示している空間をすべてひっくるめて一つの作品にしてしまうというようなアートの手法である。

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 この作品を出店したのは、作曲家であり、現代美術家でもあるセレスト・ブルシエ=ムジュノ氏。

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 セレスト・ブルシエ=ムジュノ氏は、1961年にフランスのニースで生まれたアーティストだ。マルセル・デュシャンの影響を強く受けたというそのスタイルは、「レディメイド」の既製品、つまり「今現在ここにあるモノ」をアートにするのだそう。

 彼の空間全体を使ったインスタレーションの中で、我々は目で見て鑑賞するだけでなく、耳で音を聞き、その共鳴をもってアートを体験する。ここに登場する鳥たちも、そのインスタレーションの一部なのだ。

 別の会場での作品。

From Here to Ear. Céleste Boursier-Mougenot

 ブルシエ=ムジュノさん日本でも何度か作品展を開催しているので、実際に体験したことがあるっていう人もいるかもしれないね。彼の作品をもっと聴いてみたい!というお友だちは、こちらの動画もぜひ楽しんでほしいな。

 坂本龍一氏も絶賛したという「Clinamen」という作品。

"Clinamen" by Céleste Boursier-Mougenot @ NGV (January 2016)

 ところで生き物と楽器…ときたら、昔大人気だったこの記事を思い出さないわけにはいかなかった。まだ見たことにない人、そういえば…と思いだしてくれた人も、ぜひ一度あのにぎやかなお馬さんを体験してみて!



written by ruichan

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