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 はやぶさ2がりゅうぐうから帰ってきて、たくさんの夢とリアルな小惑星の構成物質を届けてくれたのは、暗いニュースが多かった今年最後にやって来た嬉しいニュースだったよね。

 海の中もまた、地球上に残されたフロンティア。小惑星に比べたらはるかに近い場所にあるのに、なかなか探査も進まない。

 今日はそんな海底にある、不思議な「熱水噴出孔」の周囲の生き物たちを見てみよう。
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Hydrothermal vents: Explore a bizarre deep ocean habitat

 カリフォルニアのモントレーベイ水族館併設の研究施設、モントレーベイ水族館研究所(MBARI)では、2022年に水族館で予定されている「Into The Deep~未発見の海の探検」という展示に向けて、深海熱水噴出孔の周囲に生息している生き物たちを紹介する動画を作っているよ。

「深海熱水噴出孔」とは、火山活動の活発な海底で熱せられた高温の水が噴出する場所のことだ。豊富なミネラルを含んだ熱水は、時として煙突状の構造物を形作ることもある。

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 深海生物学者のシャノン・ジョンソンさんの説明を聞いてみよう。時には数百度にも達するという高温の世界だが、こんなところにもガッツリ生息している生き物たちが存在する。

 周囲の水温は60度にもなり、ニンゲンなど通常の生き物なら熱すぎて生きてはいけない環境だが、ここには豊富なバクテリアが生息しており、そのバクテリアを中心とした生態系が出来上がっているのだ。

 太陽の光が届かない深海では、この熱水噴出孔が生き物たちにとっての太陽である。彼らが生きていくのに必要な熱やミネラルを、この熱水が提供してくれているんだ。

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 噴出孔周辺に生息するチューブワームたちは、口も消化器官を持っていない。体内にバクテリアを取り込んで、熱水に含まれるメタンや硫化物を有機化合物に変換してもらい、栄養源としているのだ。

 チューブワームの周囲にはゲンゲ科の魚が。この魚たちはワームに取りついている寄生虫を食べるなどして、この生態系での立ち位置を確保している。

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 また近年発見されたポンペイワームというチューブワームの一種は、なんと摂氏80度の高温でも生きていけるんだそう。

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 まだまだ謎だらけの深海生物たち。宇宙探査と同じくらい、深海探査は夢とロマンにあふれていると思うんだよね。これからもどんどん新しい発見が報告されていくと思うので、マランダーとしても目が離せない分野であるわけなんだ。

 熱水噴出孔についてもっと知りたい!と思ったお友だちは、カラパイアのこちらの記事なんかもぜひ見て欲しいな。



written by ruichan

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