野生の生き物たちが、通りすがりに人間にヘルプを求める…というケースはたまに見聞きする。たいていは水や食べ物をねだったり、くっついた貝や食い込んだロープなどを外してほしかったり。
だが今日ご紹介するお話では、生まれたばかりの赤ちゃんがお乳を求めてやって来たんだ。こんな時、どうするのが正解なんだろう?
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Tiniest Baby Deer Asks Woman To Rescue Him | The Dodo Faith = Restored
ハイカーに近づいて来た小鹿、女性の足をお母さんだと思ったのか…
今年の7月初めのこと。ノースカロライナ州でハイキング中だったアンバー・スター・ウェストファールさんは、小さな鹿が鳴きながら近づいてくるのに気づいて足を止めた。
すると小鹿は真っ直ぐにアンバーさんに近づいてきて、なんと彼女の足をちゅうちゅうと吸い始めたのだ!
小鹿は立って歩くこともおぼつかず、まだ生まれて間もないように見える。アンバーさんはこの時何も持っておらず、お乳を求める小鹿を無力に見守るしかなかった。
アンバーさんは、母鹿たちはときどき子供を置いて、エサを探しに行くことがあるのを知っていた。そのため、小鹿の近くに人間がいないほうがいいと考えて、しばらくの間その場を離れた。
そして戻って見るともう小鹿の姿はなく、鳴き声も聞こえなかった。彼女は「きっと母親が見つけたんだわ」と自分に言い聞かせて、ハイキングを続けたのだった。
夜になって小鹿の保護に成功するも、街はロックダウン中
後ろ髪を引かれる思いで家に帰ったものの、アンバーさんは小鹿のことが気になって仕方がなかった。そしてとうとう暗くなってから、彼女は小鹿を探すために、もう一度ハイキングコースに戻ったんだ。
幸いなことに、岩の上で眠っていた小鹿を発見。無事に家に連れ帰ることができた。
だがこの時、アメリカは新型コロナのパンデミックでお店も開いておらず、保護団体とも連絡が付かなかった。
やむなくゴム手袋に穴を開け、牛乳を飲ませることにした。無心に牛乳を飲む小鹿。アンバーさんはこの小鹿に「スカウト」という名前をつけてあげたんだ。
そして翌日、幸運にもTurner’s Deer Camp Fawn Rescueという保護団体が、スカウトを引き取ってくれることになった。スカウトは仲間たちと共に元気に過ごし、森に帰る日を待つことに。
お乳を求めていたあの小さなスカウトが、モリモリとエサを食べるようになったよ!
そしてスカウトは仲間たちと森へと帰った
保護してから2ヶ月、9月初めのある日、スカウトは仲間たちといっしょに森へと帰って行った。
この出来事はアンバーさんのインスタグラムを通じて、世界中に拡散されて行った。まだら模様が特徴的なスカウトは、もしかするとこのせいで母親から捨てられたのかもしれない、という意見も寄せられてた。
森にはコヨーテなど、危険な生き物も生息している。まだ小さなスカウトが、厳しい自然の中で生き延びることができるよう、アンバーさんはもちろん、動画を見た視聴者たちも、そしてマランダーも心から祈っているよ。
written by ruichan
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