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image credit:Facebook


 ひとりの女性が、授業からの帰り道、1匹の蝶と出会った。羽が裂け、うまく飛ぶことができないその蝶は、草むらの上でじっとしている。

 季節は10月で、これからどんどん寒くなるいっぽうだ。この飛べない蝶をこのままここに残したら、きっとすぐに死んでしまうだろう。

 そう考えた女性が静かに指先を差し出すと、蝶は迷わず飛び乗ってきた。そこで彼女は、この蝶を連れ帰ることに決めたんだ。
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Woman Saves Butterfly With Broken Wing

Butterfly surgery?! 🦋

The Dodoさんの投稿 2019年9月12日木曜日


 蝶を連れ帰ってまず彼女がしたことは、蝶が何を食べるのかを調べること。オレンジを食べさせているという人を見つけ、すぐさま柑橘類やキウィなどを用意すると、蝶はその上を歩き回りながら、おいしそうに食べ始めたそうだ。

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 それからというもの、乙女と蝶の不思議な共同生活がはじまった。蝶は彼女が何をしていても気にせず肩や腕にとまり、横になると顔の上に乗ってくるなど、とにかくいつもそばにいるようになった。

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 彼女の方も、蝶が飛ぶ力を失わないように訓練したり、ときには蝶を外へ連れ出して花の蜜を吸わせたり、一緒にビーチへ出かけたり、連休には電車に10時間も揺られて(!)遠出したりと、蝶と過ごす毎日を本当に大切にしていたそうだ。

 ところが1ヶ月ほど経ったある日、もともと破れていた蝶の羽がよりひどく、体のつけ根まで裂けてしまった。これまではなんとか飛べていたけれど、このままでは、何かの拍子に体が傷ついてしまう恐れもある。

 彼女は意を決して、蝶の羽の“手術”をした。いろいろと調べた結果、蝶を裏返してやさしく押さえ、接着剤で裂けた羽をくっつけるやり方を試したようだ。

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 この手術は無事に成功し、羽はきちんとくっついた。しかしこの日を境に蝶はあまり飛ぶことはなくなり、もっぱら歩くようになったのだそうだ。 

 そうして蝶の動きは、だんだんと緩慢になっていった。蝶の成虫の寿命は通常2週間から8週間といわれているが、彼女はすでに11週間をこの蝶と過ごしていた。

 ある日、蝶に砂糖水をなめさせていると、蝶の足がだんだんと丸まっていくのを彼女は感じたそうだ。そこで彼女はベッドに横たわり、蝶を胸元にのせ、感謝の言葉を伝えたという。

 友達になってくれてありがとう。助けさせてくれてありがとう。自分の人生の一部になってくれてありがとう……。

 蝶が動かなくなる瞬間まで、ずっとそう語りかけた、と。

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 この蝶と出会ったことで、彼女は人生のとらえ方が変わったのだそうだ。蝶と過ごしているあいだ、彼女にとっては自分自身のことよりも、蝶のことが最優先だった。

 そんなふうに思えたこと、ほんのわずかな間でもその生に関われたことは、彼女にとって一生忘れられない出来事になったんだね。

 もしかしたらいつか、もっと長くそばにいられる生き物になって、蝶は彼女のもとに帰ってきてくれるかもしれない。彼女と蝶の姿を見ていると、なんだかそんなふうに思うよ。

written by momo
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