オーストラリア動物園で生まれた2匹の子トラたち。スポットとストライプと名づけられた2匹は、生存率を高めるため、生後数日で母トラから離され、人の手によって育てられることになった。
飼育員の家でのびのびと暮らし、1ヶ月を経た頃にはもう、室内で飼えないほどやんちゃに成長した2匹。
そろそろ動物園に返すべきだろう……そう判断した飼育員。でも、人の手によって育てられた子トラには、動物園に戻る前にクリアしておかなければいけない試練があった。
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人の家で、人の手によって育てられたスポットとストライプを動物園に戻すには、大人のトラたちとの交流やトラ社会について学び、先住のトラたちに受け入れられる必要があった。
というわけで、まずはガラス越しに大人のトラに会うことからスタートだ。
小さい2匹はよくわかっていなさそうだけど、大人の方はどうやら興味津々のよう。
はじめましての小さいトラとの遭遇は、大人のトラにとっても刺激の強いできごと。だからちゃんと、飼育員がフォローするんだね。
次の大きな挑戦は、ガラス越しではなく開けた場所で、大人のトラと対面すること。
金網だけで隔てられた空間には、2匹が今まで嗅いだことがないような大人のトラ、つまり“捕食者”のニオイがいっぱいだ。
ちょっと緊張気味の2匹を、メスのマネキさんが迎えた。
トラは、自分に関係のない個体であれば、たとえ相手がまだ子どもだろうと容赦がない。マネキさんが2匹を威嚇したりしないだろうかと、緊張の面持ちで見守る飼育員たち。
するとマネキさん、2匹が視界に入るやいなや「クア〜ン」「シュカカカカ」というような、独特の声で鳴き始めた。
これは「チャフ」と呼ばれる鳴き方で、トラが対象を安心させたいときに出す声なのだそうだ。
トラのように、さまざまな鳴き声を使って別の個体とコミュニケーションをするのは、大型のネコ科動物の中でも珍しい。
マネキさんは、はじめましてのチビトラたちに、トラ語であいさつをしているのだ。
こうしてスポットとストライプは、怯えすぎたり興奮しすぎたりすることなく、無事に顔合わせを終えることができた。動画からは飼育員一同もホッとしている様子がうかがえたよ。
2匹はその後、スポットはハンター、ストライプはクラレンスとそれぞれ名前を変えて、立派にほかのトラたちと一緒に暮らしている。
すっかり大きくなっても甘えん坊の2匹の姿をインスタグラムで見つけたよ。
それにしても、何よりすごいと感じるのは、この飼育員たちとトラたちとの絆の強さかもしれない。
実はスポットとストライプを育てた飼育員さんは、彼らの誕生にも立ち会っているんだ。
生後間もない赤ちゃんトラたちを母トラから引き取ったり、子トラたちとの初顔合わせのときに大人トラのそばで声をかけたり……大人と変わらない体格になったトラに哺乳瓶でミルクをあげたり。
そんな所業を笑顔で成しとげられるのは、トラたちとの間にとんでもない信頼関係があるからこそ、だよね。
written by momo
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コメント一覧 (2)
トラの耳の裏側の模様、大人も子供もおんなじ模様なんだ
初めて知りました。どうもありがとう。
マランダー
がしました
なぜ母トラから引き離したのか、今日わかったよ。
それほどに、絶滅が心配されてるんだね。サイのように。
いずれは母トラが子トラを育てられるようになるといいな。
人工保育の母トラは、育児放棄する例も多いから。
マランダー
がしました