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 タイのチェンマイにあるゾウの保護施設、エレファント・ネイチャー・パークには、いろいろな場所からいろいろな境遇にあったゾウたちが保護されて、穏やかな暮らしを送っている。中には世代を重ねた二世も誕生していたり。

 だがゾウもヒトも命ある存在である以上、幸せな出会いもあれば、いずれ必ず別れの日もやってくる。ゾウたちは長命であり、仲間たちへの想いやきずなもひときわ強い生き物だという。

 今日はタイで暮らす盲目のゾウの、親友との別れと新しい出会いのドラマをご紹介しよう。
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Blind Elephant Jokia Adopted By Her New Friend

 メイ・パームとジョキアは、伐採業者のもとから保護されてきたゾウだった。彼女は盲目のゾウ、ジョキアを気にかけ、いつもそばに寄り添い、面倒を見ていた。

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 2頭は18年という長い歳月を共に過ごしてきた。メイ・パームは常にジョキアのそばを離れず、ジョキアの目となって、どこへ行くにも何をするにも一緒にいた。

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 だが年長だったメイ・パームは、ある日ジョキアを残して天国へと旅立って行ってしまったんだ。

 ジョキアはひとり、闇の中に取り残されることになった。来る日も来る日も、メイ・パームと過ごした日々、過ごした場所を思い出しては、哀しい鳴き声をあげるジョキア。見守るしかないスタッフたちも、心を引きちぎられる思いだった。

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 だがそんなつらい日々にも、一筋の光明が差し込んだ。ある時スリー・プライという名のゾウがジョキアに近づき、かつてメイ・パームがしていたように、ジョキアに寄り添い、彼女の目となって親身に面倒を見るようになったのだ。

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 ゾウは非常に愛情深い生き物で、仲間とのきずなをとても大切にするのだという。ジョキアは新しい親友を得、孤独な世界から再び抜け出すことができたのだ。

 ジョキアは生まれつき盲目だったのではなく、彼女を使役していた人間によって失明させられたのだそうだ。この施設にはジョキアのように、虐待を受けてきたゾウたちも多く暮らしている。ジョキアのこれからの生活が、穏やかで幸せなものになるよう祈りたいと思うよ。

written by ruichan

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