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 今も不安定な政治情勢が続いているシリア。人々の生活もまだまだ先の見えない状況の中、それでも小さないのちを助けようとする優しい人々たくさんいる国である(関連記事12)。

 そんなシリアに派遣されていた英国軍兵士が、ガレキの中から拾い上げた1匹の子犬がいた。任期が終わり帰国することになった兵士は、子犬をイギリスに連れて帰る決心をしたんだ。
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Soldier Saves Puppy Then Realizes He Can't Live Without Her | The Dodo

がれきの下から鳴き声が聞こえる!



 シリアで爆弾処理のエキスパートとして任務に就いていたショーン・レイドローさんは、ある日がれきの下から子供の泣き声のようなものが聞こえてくるのに気がついた。

 そこでコンクリートのがれきを取り除いてみたところ、そこにいたのは1匹の小さな子犬だったんだ!

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 これがショーンさんとバリーの出会いだった。
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 周囲はいつ果てるとも知れない内戦でがれきの山と化しており、その中を生き延びたバリーは、最初は見知らぬ人間に対する警戒を解こうとはしなかった。

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 バリーがショーンさんに心を許すようになるまでに、4日間という時間が必要だったそうだよ。


救い出した子犬はやがてチームのマスコットに



 ショーンさんとバリーの間に目に見えない、だが確かな絆が結ばれるのに、そんなに時間はかからなかった。そしてバリーはすぐに、キャンプ全体のマスコットとして可愛がられるようになったんだ。


 毎日誰かが新しいオモチャを持ってきて、バリーは隊の人気者に。爆弾と対峙する殺伐とした日常の中で、いつしかバリーは隊にとっても欠かせない存在になっていた。


任期が終わる。なんとかしてバリーをイギリスに連れて帰りたい!



 だがやがてショーンさんの任務が終わる日がやって来た。その頃にはもう、ショーンさんとバリーは切っても切れない親友になっていたんだ。

 ショーンさんはバリーをイギリスに引き取るために、ありとあらゆる手を尽くした。だが当時シリア情勢は悪化の一途をたどっており、任期の切れたショーンさんは、シリアに再入国することもできなかった。

 そこでショーンさんは、War Pawsという団体を頼ることにした。この団体は、シリアやイラク、アフガニスタンといった戦禍に見舞われた地域の動物たちを、1匹でも多く救いたいという理念のもとに活動している組織である。



 以前アフガニスタンから子犬を連れ帰ったアメリカ海兵隊員の話をしたけれど、その時はバクダッド子犬作戦という組織が仲介してくれたよね。War Pawsはそれと似たような活動をしている団体なんだ。

 そうしてさまざまな手続きをクリアしたのち、バリーはシリアからイラクへ、そしてフランスへと送られ、3ヶ月後ようやくショーンさんと再会することができたんだよ。

そして感動の再会!バリーはショーンさんを忘れなかった



 もしかしたら、バリーは自分のことを忘れてしまっているんじゃないか?と不安だったというショーンさん。だがその心配は杞憂に終わった。バリーはちゃんと、ショーンさんを覚えていた!

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 見違えるほど大きくなったバリー。今ではエセックスにあるショーンさんのおうちで、幸せに暮らしているそうだよ。


 ちなみにバリーは実は女の子。最初に保護したときにオスだと思い込んでいたショーンさんが、ついバリーという男の名前をつけてしまったんだそう。

 現在ショーンさんのお宅で、幸せいっぱいな生活を送っているバリー。ひとつでも多くの小さないのちが戦争の犠牲になることなく、バリーのように平穏な日々を過ごすことができるようになるといいね。


References:Instagram / YouTubeなど / written by ruichan

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