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 シリアという国は、今こうしている間も絶え間ない危険と隣り合わせにいる国である。内戦が続く中、多くの命と多くの生活が奪われてきた。

 だがそんな中でも、人間のもつ優しさを奪うことは、誰にもできなかったようだ。ケガをして苦しんでいる猫を救うために、シリアの人々の温かい手が差し伸べられていたよ。今日はその様子をみんなにもぜひ見てもらいたい。
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A cat was seriously injured by a speeding motorcycle

シリアの街角で、バイクにはねられてケガをした猫が発見された



 動画の投稿者ムハンマドくんの家の近くで、バイクにはねられて下半身が動かなくなった猫が見つかった。

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 ムハンマドくんがキャットフードを与えようとするが、警戒心マックスの猫は牙をむき、何人たりともそばに寄せ付けない構え。

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 動かない後ろ足を引きずって、必死に逃げ回る猫の姿が痛々しい。
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猫の保護に、民間防衛隊が出動!


 そこでムハンマドくんは、「シリア民間防衛隊」通称「ホワイトヘルメッツ」に助けを求めた。すぐにやって来て、猫の保護に乗り出すホワイトヘルメッツたち。

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 ホワイトヘルメッツは空爆で瓦礫の中に閉じ込められたり、ケガをしたりした人々を助けるために作られた、反政府側のボランティア組織である。アサド政権側には目の敵にされており、内戦では多くの犠牲者も出ているそうだ。

 そんな彼らが、1匹の猫を助けるために出動してくれるなんて!
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 おびえ切った猫を、なんとか保護することに成功。ホワイトヘルメッツの人たち、ありがとう!明日はこの猫を保護施設まで連れて行くよ。

そして翌日、無事に「猫の家」に到着した猫



The infected cat began treatment

 ムハンマドくんが猫を連れてやってきたのは、以前紹介した「猫の家」だ。モハンマドさんが出迎えてくれたよ。

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「引っかかれちゃったね」
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 猫たちと戯れるムハンマドくん。
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 ここでは猫たちが思い思いに、平和にくつろいで過ごしているよ。
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無事に手当てを受けることができて、これでひとまずは安心だ


 ケガをしていた猫は、「猫の家」の獣医師からきちんと手当を受けることができた。
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 とりあえず、これで一安心だね。
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 この動画を投稿したのは、シリアのダマスカス郊外にある東グータ地区に住む16歳のユーチューバー、ムハンマド・ナジェムくんである。東グータ地区といえば、1年前に化学兵器による攻撃や空爆を受け、千人を超える犠牲者が出たことが日本でも報道されていたので、記憶にある人もいるかもしれない。

 ムハンマドくんはこの地区にあるアルビンという街から、内戦の中にいる子供たちの様子を撮影し、全世界に向けて発信し続けているのだ。

 難民キャンプの子供たちと。

「この世の地獄」とも言われた街で、海外のジャーナリストも続々と脱出していく中、この実態を世界中に知ってもらうために何かできることをしたい。その一心で、彼は今も活動を続けている。

 いまだ内戦終結の兆しが見えない戦禍のシリア。だがその只中にある街でも、人々の優しさは確かに生きているのだ。興味を持ってくれたお友だちは、ムハンマドくんのYouTubeチャンネルやインスタグラムフェイスブックをぜひ覗いてみてほしい。

 モハンマドさんのフェイスブックもね!


written by ruichan

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