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 世界中の各地域には、それぞれに身近な生き物たちがいて、それぞれの場所で人間との共存を行っている。日本で言えばスズメやカラス、タヌキやニホンザル、ヒキガエルなんかがそれに当たるかも(地域によって違うと思うけど)。

 さてインドでは鳥といえば、スズメやカラスもいるけれど、日本とは違ったこんなカラフルな鳥たちも当たり前のように暮らしている。今日はインドのインコたちと、一人のニンゲンの男性とのとある物語をご紹介しよう。
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India’s ‘Birdman’ Feeds 4,000 Parakeets A Day

4,000羽のインコに毎日エサをやり続ける男性


 ここは南インドの街、チェンナイ。かつてはマドラスという名前で知られていた、タミルナドゥ州の州都である。この街には野生のインコたちにエサをやり続けている男性がいる。

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 「インドのバードマン」と呼ばれているこの男性はセカールさんといって、撮影当時62歳。現在はチェンナイで、カメラの修理工場を営んでいる。

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 セカールさんはもう10年以上にわたって、毎日2回、およそ4,000羽のインコたちにエサをやり続けている。

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きっかけはあの大津波だった


 こうなったきっかけは2004年に起こったインド洋の大津波だった。あの津波の後、水に浸かったチェンナイの街で、2羽のワカケホンセイインコがセカールさんの家に飛んできたのだという。

 もともとスズメやカラスなど家に来る鳥たちに、エサをやって楽しんでいたセカールさん。この時も2羽のインコたちにエサをやったのだが、すると次には10羽、そして50羽、100羽とどんどん仲間を連れてくるようになり、最終的に1,000羽を超えるインコたちにエサをやる事態になったんだとか。

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インコたちのために、インコたちと共に生きる日々


 毎朝4時過ぎに起き出して、6時にはやってくるインコたちのためにエサの準備をするセカールさん。毎日60kgのエサを用意し、1ヶ月にかかる費用は日本円で約24,000円。これはセカールさんの収入の、実に40%にも達するんだそう。

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 セカールさんはエサをやるだけではなく、ケガをしたインコたちの保護や手当も行っている。

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 これからもずっとインコたちの世話を続けたいと言うセカールさんだが、だんだんと年を取るにつれ、毎日のエサやりがきつくもなってきたそうだ。

 それでも「私には鳥たちしかいないし、鳥たちを置いてどこへも行けないしね」と、毎日黙々とエサの準備をするセカールさん。

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「人間は鳥を籠の中に入れるけれど、私は鳥たちに籠に入れられているようなものだよ」と、このバードマンは語っている。

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 あの大津波ではインドも大きな被害を受け、死者・行方不明者は合わせて2万2千人を超えた。ここチェンナイだけでも、犠牲者は千人に達したという。そんな中での小さな優しさから始まった活動が、今もこんなにたくさんのインコたちを支えているのだ。

 以前にもインドの寺院で、インコたちにエサをやり続けている男性を紹介したことがあった。日常生活に信仰が根付いているインドでは、昔から「喜捨」を行う文化がある。

「与えること」によって徳を積み、それがカルマを解消することにつながるわけだが、鳥たちへのエサやリの奥底にも、もしかするとそんな考え方があるのかもしれないね。

written by ruichan

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