シンガポールの歩道を我が物顔で横切っているのは、大人から赤ちゃんまで勢ぞろいのカワウソファミリーだ。その数、ざっと10匹以上。
カモのような水鳥が道路を横断する様子なら、マランダーでもこれまでに何度かご紹介してきた(関連記事1、2)。
でも、一体なぜこんなにもたくさんのカワウソが街なかに? 実はこのファミリー、迷い込んだわけではなく、シンガポールの都心に住み着いているのだという。
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Why this adorable otter family took over Singapore's streets
シンガポールで暮らすカワウソのビッグファミリー。都心での生活にすっかりなじんでいるようで、街の中でも立派に子育てをしている。
今日は、そんなカワウソファミリーのお引っ越し。連れ出しても大丈夫なくらいに赤ちゃんが育った頃合いで、一家そろってねぐらを出た。
カワウソは、天敵を警戒して定期的に引っ越しをするという。街の中にカワウソの天敵はほとんどいないが、本能にすり込まれた習性は簡単にはなくならないようだ。
シンガポールの街には、カワウソが隠れ家にできるような場所がたくさんある上に、大きな川が流れている。
カワウソは一日に体重の4分の1ほどの魚を食べなければいけないが、豊かな水量の川があるおかげで、お腹を十分に満たすだけの狩りができるんだ。
自力で魚を捕まえられない赤ちゃんたちは、年上のカワウソから分けてもらう。一家が飢えずにすむ狩場があるということも、街なかで暮らす利点といえそうだ。
もちろん、都会で暮らすにはそれなりの危険もともなう。でも、大家族で生活しているからこそ、力を合わせてそれに立ち向かうこともできるんだ。
そうしていくどとなく引っ越しを繰り返す中で、都会で暮らすための知恵や工夫が、若い世代に受け継がれていくのだという。
食べ物もあり、隠れ家もあり、水辺もある。だからこそ、何世代にも渡って順調に子育てができるのだろう。
そんなシンガポールの街で暮らすカワウソの家族は、自然環境で暮らすカワウソの標準的な家族構成に比べて、頭数が多いのだそうだ。
こうしたカワウソたちの姿を普段から目にしていれば、川をきれいにすることや、路上の衛生面への配慮など、住人として意識することも多くなりそうだ。
これもまたひとつの、自然と人間の共生の形かもしれないね。
written by momo
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