
海の中の宝石、ウミウシ。その形態や色、サイズは多岐に及び、世界中で実に数千種類を超えるという。マランダーではこれまでにも、美しいウミウシの姿を紹介してきたけれど(関連記事1、2など)、今回は動画で「動くウミウシ」をお見せしよう。
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ウミウシというのは、実に不思議な生き物である。貝殻のない貝と言ってしまえばそれまでだけど、ウミウシの身体には摩訶不思議な進化のフシギが見て取れるのだ。
今回の動画はインドネシアのレンベ海峡近辺で撮影されたもの。たくさんのウミウシが生息している海域だよ。
これはアカクセニアウミウシの仲間。

マダライロウミウシの仲間。頭に二対の触覚のようなものがあるのはわかると思うけれど、おしりの方にもイソギンチャクみたいな何かがついてるよね。実はコレ、「二次鰓」と言って、れっきとしたエラなんだそうだ。

アカフチリュウグウウミウシの仲間。エラを身体の外部に出すことで表面積を増やし、効率的に酸素を取り込んでいるらしい。

こちらはキイロウミウシだね。ひっきりなしにエラを動かすのは、水流を作る目的があるのかもしれない。

シライトウミウシ。ウミウシには目がないけれど、触角でニオイや味を敏感に感じ取ることができるんだそう。

そんな大切な器官である触角やエラを、体内に格納できる種類もいる。上のシライトウミウシの仲間はエラを引っ込めることができるし、ブチウミウシは触角もしまっちゃうんだ。

ヒラツヅレウミウシは、強い毒を持つヒラムシに擬態して、敵から身を守っている。

小さくて弱いウミウシたちは、ほかにもさまざまな方法で捕食者に襲われない工夫をしている。例えばこれ、オダカホシゾラウミウシかな。

とかコレ。ベニゴマリュウグウウミウシか?

そしてアンナウミウシ。どれも毒々しい色を身にまとって、自分には毒があるよ!食べたらひどい目に遭うよ!とアピールしているんだそう。

これはミゾレウミウシ。ウミウシにはこのような黒っぽいストライプ模様を持つモノが多いんだけど、これも毒のある種類に擬態しているらしいんだ。

ミナミニシキウミウシは、エラの後ろに立てた部分に毒を持っている。ここを目立たせることで、捕食者にはまずこの部分を襲わせて、「コイツ毒持ってる、ヤバい!」と思わせるのが狙いだとか。

テヌウニシキウミウシとアマノガワテンジクダイ。イソギンチャクとカクレクマノミのような関係なのかもしれない。

このニシキウミウシの仲間は、頭部と触角を完全に体内に格納してしまっている。

トサカイボウミウシは敵に襲われると、身体の中から毒を排出する。

黒い輪っかが二つペイントされたようなキイロイボウミウシの模様は、大きくて危険な魚の目玉のよう。これも「近寄ったら食べちゃうよ!」とハッタリをかませているんだね。

またトゲトゲの突起を背中にたくさん生やしたウミウシもいる。例えばこのアデヤカミノウミウシ。このトゲトゲの中には、実は毒が詰まっているんだって。毒のあるヒドロ虫なんかを捕食して、その毒をここに貯めて武器にしちゃうんだ。

こちらのムカデミノウミウシ、別名「ブルードラゴン」もトゲトゲだらけだね。このウミウシは褐虫藻という藻の一種をトゲトゲの中に蓄えて、光合成で栄養を作ってもらっているんだよ。

フィロデスミウム・クリプティクム。こちらも褐虫藻を取り込んで、サンゴに擬態しているらしい。

どうだったろうか。ウミウシは美しいだけでなく、その生態もとっても興味深い生き物だよね。カラフルなウミウシにはほんの数センチ程度の小さいものも多いので、温かくなって海辺に行くことがあったら、ぜひ注意して探してみてほしいな。
written by ruichan
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