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 ペンギンといえば、よちよち歩きのキュートな鳥。だが彼らの住む南極では、毎日生き残るための命をかけた戦いが繰り広げられていたのだった! 厳寒の地、弱肉強食の野生の王国で、ペンギンのヒナを狙う捕食者の前に立ちふさがったヒーローがいたらしい。今日はそのお話をお届けしよう
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Penguin chicks rescued by unlikely hero | Spy in the Snow - BBC

 ここは南極。コウテイペンギン(エンペラーペンギン)のヒナたちが、団体でよちよち歩いてくる。どうやら親鳥たちは、エサを獲りに出かけているようだ。

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 コウテイペンギンのヒナはある程度大きくなると、ヒナたちだけで集団行動をするようになるんだそうだ。

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 だがここも野生の王国。か弱いヒナたちは捕食者の格好の獲物である。今回ヒナたちを狙ってやってきたのは、1羽のオオフルマカモメだ。

 この鳥、カモメという名前はついているが、実はミズナギドリの仲間である。ペンギンなど他の鳥の卵や弱いヒナを襲って食べてしまうという、凶暴な鳥なんだそうだよ。

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 今回はどうやら滑って転んでしまった1羽のヒナに狙いを定めたようだ。クチバシで執拗にヒナをつつき始めるオオフルマカモメ。

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 ヒナたちは円陣を組み、オオフルマカモメから身を守ろうとする。
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 ヒナといってもコウテイペンギン、背の高さは1m近くにもなる。こうなるとオオフルマカモメも簡単には手を……いやクチバシを出せない。

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 特にこのリーダー格の1羽が、他のヒナたちを守るようにオオフルマカモメの前に立ちふさがっている。状況は膠着状態に入ったかに思われたが……。

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 そこへ思いがけず、救世主が登場した。左側からよちよちやって来たのは、1羽のアデリーペンギンだった。

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 成鳥でも60~70cmとヒナたちよりもだいぶ小さいが、なんとこのアデリーペンギンは果敢にも、オオフルマカモメとヒナたちの間に割って入り、ヒナたちをかばうように立ちふさがったのだ。

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 ヤンチャぶりではペンギン界随一ともいわれるアデリーペンギン。オオフルマカモメもどうやら自分の不利を悟ったようで、しばらくするとあきらめて飛び去って行ったよ。

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 やったね!
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 この後アデリーペンギンはヒナたちが無事に海辺にたどり着くまで、しんがりを務めつつ見守っていたんだそうだ。

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 同じペンギン同士とはいえ、種類も違うし身体の大きさも自分よりでかいヒナたちを、このアデリーペンギンがどうして守ろうと思ったのかはわからない。もしかしたら自分にもヒナがいて、母性本能か父性本能にかられたのかもしれないね。

 いつぞや紹介したライオンとヌーのお話のように、自然界では、時にはこんなドラマチックな出来事が起こることもあるのだろう。我々はただその様子を垣間見ることしかできないけれど。

written by ruichan

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