
自分の力ではどうにもならないとき、動物たちは人間に助けを求めてくることがある(関連記事1、2、3他いっぱい)。これまでにも何度かそんなシチュエーションをご紹介してきたわけだが、今日はまだへその緒が付いたままの子ウシを助けてほしいとアピールしてきたお母さんウシと、その後の救出劇をお見せするよ。
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Cow asks man to rescue her newborn calf
オンタリオ州ミルブルック近くにあるとある牧場で、放牧されたウシたちがのんびりと水浴びを楽しんでいた。そこを通りかかったデーブさんは、なんとなくその様子をビデオで撮影し始めたんだ。

そのときデーブさんは、1頭のウシが放牧場を取り囲む電気柵のそばで、何かを訴えるかのようにこちらを見ながら地面を引っかき、大きな音を立てているのに気付いた。ウシの耳についたタグには「フロー」という名前が記載されていた。

近づいてみると、なんとそこには生まれたばかりの赤ちゃんウシが! どうやらフローさんはこの電気柵の近くで出産したものの、生まれた赤ちゃんは傾斜した地面を滑って、柵の下に入り込んでしまったようなんだ。

電気柵には電気が通っているため、触れるとピリッというショックを受ける。デーブさんはしばらく迷った末、木の枝でワイヤーを押し上げて、子ウシを助けることにした。

デーブさんが子供を助けようとしてくれていることは理解しているようだが、やはり心配なのか興奮気味なフローさん。親ウシが本当に怒ったら、こんな柵など無意味なことがわかっているので、デーブさんは内心ヒヤヒヤだったという。

よし、成功! 子ウシは無事に、柵の向こうのフローさんのもとへ。この後デーブさんは、牧場主に連絡し、すぐに子ウシは保護された。デーブさんはへその緒の処置をし、子ウシの耳にタグをつけるところまで立ち会わせてもらったそうだよ。

助けられる過程で、子ウシはデーブさんといっしょに多少の電気ショックを受けていた。その後のチェックで、健康上は何も問題のないことが判明し、デーブさんも一安心。
すっかり落ち着いて、仲間たちとともに牧草地に出てきたフローさん母子。すると子ウシは、まっすぐにデーブさんのところへ近づいてきて、確認するようにニオイをかいでいったという。どうやらフローさん共々、助けてくれたデーブさんをちゃんと覚えていたらしい。

この日は気温も高く、かなり乾燥していたんだそう。もし気付くのが遅れたら、生後間もない子ウシはお母さんのミルクを飲むこともできず、取り返しのつかないことになっていたかもしれない。デーブさんとフローさんの連係プレーに拍手である。
電子柵とは、野生動物の侵入を防ぐ、あるいは家畜の脱走を防ぐ目的で、牧場や農場などの周囲に張り巡らされていることが多い。だが日本では違法に設置された電気柵で死亡事故が起こったこともあり、触っても大丈夫?と思った人も多いかもしれない。
実際にはきちんと設置された電気柵なら、ピリッとした痛みが一瞬走る程度なんだそう。こンな感じの黄色い警告板がついているはずなので、良い子は触らないようにしようね。
written by ruichan
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コメント一覧 (4)
助かった後のお母さん牛の目が優しそうでほっこりした☺️
興奮というよりもどかしくてしょうがないという感じに見えた。
保護後も子供から目が離せないって様子だね。