野生の生き物は、よっぽどのことがなければニンゲンと接触しようとはしない。彼らにとってニンゲンは危険な生き物であるし、そう認識してくれているほうがお互いのためにも望ましいこともあるだろう。
だが何か緊急事態が起きたとき、「ニンゲンなら助けてくれるのでは?」と考える生き物たちもいるみたいだ(関連動画1、2、3ほか多数)。今日はそんな中から、おまわりさんにピンポイントで救いを求めた鳥さんのお話をしようと思う。
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ジェイムズ・ギブンズ巡査部長は、シンシナティ警察に勤務して26年のベテラン警察官。その彼をして前代未聞と言わしめるような事件が、2016年の5月9日に起きたんだ。
駐車場にパトカーを停めてくつろいでいたジェイムズさん。何かが車のドアをコツコツと叩いていることに気がついた。何とそれは1羽のカナダガンのお母さんだった。
「最初はお腹が空いているんだと思って食べ物を投げてやったんだけど、ガンはそれに見向きもせずにドアをつついて鳴き続けたんだ」と、ジェイムズさんは語る。
ガンは少しその場を離れては振り返り、戻ってきてまたドアをつつくといった行為を繰り返し続けた。それが2回続いたとき、ジェイムズさんはそのあとについて行ってみることにしたんだ。
100mほど離れた水辺には、風船のヒモに絡まったガンのヒナがいた。お母さんはジェイムズさんを、真っ直ぐそこまで導いた。この子を助けてほしかったの?
ジェイムズさんはSPCA(動物虐待防止協会)に連絡したが、手の空いているスタッフが捕まらず、すぐには対処ができないとのこと。無線を聞いた同僚のセシリア・シャロン巡査が駆け付けてくれて、自分たちの手でヒナを助けることにした。
セシリアさんも子を持つお母さん。相通じる何かがあったのか、お母さんガンはセシリアさんがヒナを抱き上げても、黙って見守っていたという。
少々手こずったが、無事にヒモをほどくことに成功。ヒナは無事に、お母さんやきょうだいたちと合流し、泳ぎ去って行った。
「今でも信じられないよ。なぜあのとき、母親の後をついて行ってみようと思い立ったのか、自分でもよくわからないんだ」というジェイムズさん。
「普段、野生のガンは人間のそばには近づいてこないものだからね。人間なら助けてくれるんじゃないかって、どうしてあの母親は思ったんだろうね」
お母さんガンが、何を思ってジェイムズさんに助けを求めたのかはわからない。だが結果として、その行動は大正解だったわけだ。
もっともジェイムズさんは、「通常ガンは人間に対しては攻撃的なところもある鳥なので、不用意に近づかない方がいい」と警告することも忘れない。
テレビに出演してこの時の様子を語るジェイムズさん。
image credit:Local12.com
実際の動画はこちらから。
Mother Goose thanks Cincinnati Police
via:Goose Finds Cop And Leads Him To Her Trapped Baby written by ruichan
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