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 マランダーの読者なら、カラスがとても賢い鳥だということはご存知のことと思う。今回ご紹介するカラスたちは、生まれて間もなく巣から落ちて人間に育てられたんだ。大人になって野生に帰ってからも、育ててくれた家族の住む家に挨拶にやって来るんだよ。その家にいたときに覚えた、「ハロー」という言葉を忘れずに…。
 
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 とあるお宅の裏庭で、木の上にあった巣から落ちてきたと思われる、カラスのヒナたちが保護された。そのお宅の住人がヒナたちを巣に戻そうとしたのだが、親鳥が戻ってくる様子はなかったという。

 そのまま放っておくこともできたのだが、住人はなんとかしてヒナたちの命を救うことにしたんだ。

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 住人はヒナたちを、クリスティさんという獣医のところに連れて行った。クリスティさんは、ヒナたちが大きくなって独り立ちできるようになるまで、家族で面倒を見ることにした。

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 生まれて間もないヒナたちは、2~3時間おきにエサを欲しがる。クリスティさんとその家族は、なんとかこの時期を乗り切った。

 カラスはとても賢い鳥で、簡単な言葉なら覚えることができる。彼らは最初まとめて「フレッド」と呼ばれていたのだが、それは「フレッド」という言葉ならカラスが覚えやすいと思ったからだそうなんだ。

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 やがてヒナたちはそれぞれ、ベビー・フレッド、ラッセル・クロウ、アドベンチャー・フレッド、そしてクロウ・マグノンと名付けられたけれど、まとめて呼ぶときにはずっと「フレッド」のままだったそうだ。

 結局、このフレッドたちはしゃべることを覚えたんだけど、それはクリスティさんたちの期待とは裏腹に、まったくの偶然だったらしい。

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 クリスティさん一家は、フレッドたちに向かってしょっちゅう「ハロー」と声をかけていた。そしていつの間にか、フレッドたちも「ハロー」と返事をするようになったんだ。

 クリスティさん一家は、フレッドたちに野生の世界で生き延びる術を身に着けさせるため、虫や果実などエサの探し方を教えることにした。

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 成長するにつけ、フレッドたちはやんちゃになっていった。ご近所の庭に植えてあるベリー類を食べ尽くしてしまったり、衛星アンテナを壊したりなんてこともした。小さかったヒナたちはどんどん大きくなって、やがてお別れをいう時が来たんだ。

 幸いにも、周囲にいた野生のカラスたちは、この人間に育てられたカラスたちを受け入れてくれた。冬になるとフレッドたちは、他のカラスたちとともに南へ旅立っていった。

 しかし、フレッドたちと永遠の別れになったわけじゃない。
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 その後も毎年春になると、最低でも2羽のフレッドがクリスティさん一家に会いに戻ってくる。フレッドたちはいまだに「ハロー」という言葉を覚えているそうだよ。

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 人間の存在がなければ、フレッドたちは生き延びることはできなかった。毎年忘れずに訪ねてきてくれるのは、きっと感謝の気持ちを持ち続けているからかもしれないね。

 動画はこちら。

Rescued baby crows return each spring to say "Hello"

 記事には単に「カラス」とあったけれども、冬になると南に向かうというからには、ワタリガラスなのかもしれないね。

via:Rescued Birds Come Back Each Spring To Say Hello To The Family Who Saved Them translated ruichan / edited by parumo

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