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 大きなショックを受けた場合、人間でも1人でいたくない、眠れないという状態になるのは珍しくない。母親を殺されたこのサイの赤ちゃんも、そのトラウマから1人では眠れないというつらい日々を過ごしてきた。そんな赤ちゃんが、元気に育っていく様子をご紹介しよう。
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The story of orphaned baby rhino Gertjie

 アフリカでのサイの密猟については、以前にもマランダーでご紹介したことがあったので、覚えている人もいるかもしれない。

 ガーティーは生後4ヶ月の時、目の前で密猟者に母親を殺されたところを、ホエドスプルート絶滅危惧種センター(HESC)に保護された。この映像には映っていないが、母親は密猟者に角を持ち去られ、無残な姿で横たわっており、ガーティーはその傍らで鳴いていたそうだ。

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 つらい状態で保護されたにも関わらず、ガーティー哺乳瓶から自分でミルクを飲む元気があった。しかし、目の前で母親を惨殺されたショックから、ガーティは1人で眠ることができなくなってしまった。

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 HESCではスタッフがガーティーの小屋の外で寝てやり、また代理母として、羊のスカープといつもいっしょに過ごせるようにした。ガーティーは少しずつ環境に馴染み、外を散歩できるように。

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「ガーティーがこんなに有名になるなんて、スタッフの誰もが予想しませんでした。世界中からサポートしたいというメッセージが送られてくるようになって、私たちは恐縮してしまいました。ガーティーを通して、人間がどれだけ思いやり深く、あたたかい心をを持っているかを知ることができました」

 ガーティーは現在、羊のラミーという親友を得て、毎日健やかに過ごしているそうだ。

 ラミーと仲良く遊ぶガーティー。

Gertjie and Lammie playing together

 この施設には、たくさんのサイが保護されている。現在、10時間に1頭のサイが殺されているという調査もあるのだが、密猟の被害がなくならない理由は、アジアで珍重される犀角が高値で取引されているせいだ。

 ガーティーもいずれは野生に帰ることになる。願わくば、そのころには密猟の犠牲になることを怯える必要がなくなっているといいのだが。