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 マランダーでも何度かご紹介している、インドの動物救助隊Animal Aidの新たな救助作戦の動画が届いたのでご紹介するよ。今回は、生まれてすぐに捨てられてしまった子ウシを保護した状況を写した動画なんだ。彼らの活躍を、ぜひご覧いただきたい。
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Newborn calf dumped still wet with afterbirth rescued

 彼らが通報を受けて駆けつけた時、この子ウシはまだ本当に生まれたばかりで、身体が乾いてもいなかったそうだ。

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 酪農家は生まれた子ウシがオスだった場合、「売り物」である母親のミルクを一滴も飲ませることなく、このように遺棄することがままあるのだという。

 この子ウシは怯えきっていて、立ち上がることさえできなかったが、Animal Aidのシェルターに運ばれて、人間の手から初めてのミルクを飲んだ。

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 スタッフはこの子ウシにヒンディー語で「心」を意味する「ディル」と名付けた。日が経つにつれ、ディルは強くたくましく育っていった。

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 2ヶ月を過ぎたこの日、初めて他のウシたちといっしょに外を走り回って遊んだ。もうすっかり元気になり、健康面の心配はなくなった。

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 インドではウシがシヴァ神の乗り物として、神聖な動物扱いされているのは、わりと知られていると思う。ヒンドゥー教徒はウシを食べないし、牛革で作られた財布やベルトを避けたりもする。

 道を歩いていればそこらじゅうに野良ウシ(正確には野良ではないらしいのだが、インド人に聞いても放し飼いと野良と両方いるとも言うし、実態はどう見ても野良である)が歩いており、ウシの落とし物がそこいら中にあって、今でも貴重な燃料として使われている。

 そんなインドで、実はウシがこんな扱われ方をしているというのは、ちょっと意外かもしれない。だが、ウシを殺すことを法律で禁じている州もあるので、ディルの場合はむしろ、ウシに生まれたがゆえに殺されずに済んだ、ということなのかもしれない。

 まあ、野良ウシも「邪魔だ~!」とばかりにペシペシ追っ払われていたりするので、インドにおける「神聖さ」というのは日本の感覚とはまた違うのも事実である。

 ディルはこの後、Animal Aidのシェルターで飼育されることになったそうだ。母親とは引き離されてしまったが、スタッフの愛情に育まれて、すくすくと育ってくれることだろう。(関連記事1関連記事2

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