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 マキシーン・ベアードさんはA New Hope animal sanctuaryという保護施設の設立者だ。ある日そんな彼女のもとに「とても気性の荒いアルビノのアライグマを一時的に預かってほしい」という依頼がある。

 どうやらそのアルビノのアライグマは恵まれない環境にいたためかとにかく乱暴者なのだという。今まで200匹以上のアライグマを保護、育てたマキシーンさんはいわばアライグマのベテランだ。1人の心優しい女性の人生と、1匹のアライグマのクマ生がこうして交差した。
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 これからくるアライグマは気性が荒い、と聞かされていたマキシーンさんは自身の育ててきたアライグマたちの中でも最も手に負えないタイプになるのではないかと危惧していたという。

 そしてアライグマが到着。そのアライグマはとても劣悪な環境下で育ったことが一目でわかる状況だったという。「とても気性が荒いので注意」ということであったが、マキシーンさんはどちらかというとこのアライグマを脅かしているのは悲しみと怯え、不健康ゆえのものではないかと捉えた。

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 「彼女は全身糞や尿まみれで、膀胱など泌尿器に問題があり下腹部から背中にかけて痛みがあるようだった。」という。それだけでなく、アライグマは足の裏の肉球に当たる部分から足全体にかけての痛みもあり苦しんでいる様子だったとのこと。アライグマを連れてきた当局の推測では、このアライグマは自分の足で地面を歩いた経験がないのではないか、それ故、アライグマが活用する敏感な前足の感覚が麻痺しているのではないかということだった。

 敏感な前足の感覚を活かして生活するアライグマにとってこれは死活問題である。
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 そんな悲しい過去ゆえかアライグマは誰にも懐こうとせずいつまでもよそよそしかったという。しかしある日、1人と1匹の関係に大きな変化が起きた。マキシーンさんが日々の仕事をこなし、ふと腰かけた際に件のアライグマがそっとかけよってきた。そしてそれだけでなく、マキシーンさんの匂いをかぎその小さな手をマキシーンさんの手に重ねたのだそうだ。

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 それからというもの、誰にも打ち解けなかったアルビノのアライグマは急速にマキシーンさんになつき、仲を深めていった。

 マキシーンさんはこのアライグマにエジプトの女神の名前からイシスと名付けることにした。
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 汚物まみれで痛みに苦しんでいたイシスは今はきれいな毛並みが目を引くアライグマに大変身
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 大好きなマキシーンさんへのキスがとまらないそうだよ。
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 命の恩人マキシーンさんにべったり
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手足の痛みが治るまではイシスはマキシーンさんと生活する予定だが、イシスは今後徐々に施設内に放たれる予定だそうだ。

 「こういうふうにかわいい子もいるけど、基本的にアライグマは畑などをダメにしてしまう害獣としての素質が強いのでペットにはしてはいけない生き物なんです。捕えたら施設に持っていくことが大切なんですよ。」と警鐘を鳴らすことも忘れなかった。
 
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 しかしイシスは保護してもらったことが嬉しくて、今ではアライグマのお友達もできたようだ。
 イシスは今、室内だけでなく施設の敷地内にある庭に出る訓練を始めている。そこには異種の動物もいるそうだ。

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 「イシスはここに来た時、誰にも甘えず誰のことも寄せ付けない子でした。ですが今は違います。まさに180度変わってくれました。すごく可愛いしいい子ですが、彼女の以前の環境があまりにもひどかったのでそうさせているのです。もし不幸なことがなかったらイシスだって他のアライグマと変わらず野生で大暴れしていたはずなんです。そういう風な彼女を見てみたかった、と考えてしまいます。」とマキシーンさんは語る。

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 こんなに想ってくれる施設のオーナーがいて、イシスにはさらにお友達もできた。フワフワもふ毛だけのおかげだけでなく、心身ともにあたたかい冬が過ごせる予感でいっぱいだ。

 アルビノの動物に関しては関連記事などでたくさん写真が見られるよ。

via:Woman Rescues “Aggressive” Albino Raccoon From Horrible Conditions, And Now She Won’t Stop Cuddling translated kokarimushi / edited by parumo